プロジェクトマネジメントとは何をする?求められる知識やスキル、必要な資格までわかりやすく解説。

システムやアプリケーション、Web開発を進めるにあたっては規模に応じたプロジェクトチームを構成し、計画的に行うことが一般的です。
本記事ではプロジェクトマネジメントを初めて任されたという方にもわかりやすく、プロジェクトマネジメントに必要な知識やスキル、資格について解説していきます。

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントの概要

プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目的を達成するためにプロジェクト管理を行うことを言います。
プロジェクトマネジメントはプロジェクトの立ち上げ、計画、実行、監視コントロール、終結を実施し、計画された納品物、サービスとその要求品質、コスト、納期に責任を持ちます。
(参照:IPA 独立行政法人情報処理推進機構 「職種の概要と達成度指標(5)プロジェクトマネジメント」)

プロジェクトマネジメントの重要三要素

品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)のことをQCDと言い、プロジェクトで重視される要素になりますのでしっかり覚えておきましょう。

プロジェクトマネージャー(PM)とは

プロジェクトチームの一員として、もしくは単独でプロジェクトマネジメントを遂行する立場の人をプロジェクトマネージャー(PM)と言います。
そして、プロジェクトマネージャーのサポート役としてPMO(Project Management Officeの略)と呼ばれるポジションがあります。

PMに求められる知識とスキル

プロジェクトマネジメントの概要をご理解いただけたところで、次はPMに求められる知識とスキルについて解説します。

PMに求められる主な知識とスキル

PMに求められる主な知識とスキル5つを下図に表しました。

引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「PM育成ハンドブック」
P13. 図2 1 PMに求められる知識/スキル領域

下記は5つの主な知識とスキルについての説明です。

プロジェクトマネジメント PMには最も主要な知識/スキルであり、自己流の知識だけでなく、普遍的で体系的な知識はプロジェクトの成功に必須です。
インダストリー/適用業務

エンドユーザーとの良好なコミュニケーションや適切なシステムを構築するためにも、適用業務についての知識/スキルは必須です。

テクノロジー/メソドロジー プロジェクトで使用するハード/ソフトウェア、ネットワーク技術などのIT(情報技術) 知識、プロジェクトを効率的に運営するための設計技法・テスト技法、見積り手法などのソフトウェアエンジニアリング知識などのテクノロジー/メソドロジーに関する知識/スキルは必須です。
パーソナルマネジメント PMはプロジェクトにおけるリーダーであり、人(プロジェクトメンバー)を通じて仕事を遂行します。したがって、リーダーシップ、コミュニケーションやネゴシエーションなどの知識/スキルや、プロジェクトチームとしての組織を運営管理するための知識/スキルなどが必要になります。
ビジネスマネジメント お客様との良好なリレーション、新規プロジェクトの提案、プロジェクト遂行上で発生するビジネスリスクの回避・軽減、契約や関連法規などのビジネスマネジメントに関する知識/スキルが必須です。

引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「PM育成ハンドブック」P13. 図2 1 PMに求められる知識/スキル領域

PMに求められるコンピテンシー

コンピテンシーとはスキルを持ち、実際に行動することができる力のことを言います。
前章で説明しました知識やスキルは状況に応じて適切に活用できることが必要です。
PMに求められるコンピテンシーを下図に表しました。

引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「PM育成ハンドブック」
P14. 図2 2 PMに求められるコンピテンシー

プロジェクトマネジメント手法

PMに必要なスキルとしては上記以外に、プロジェクトを効率的に進めるための手法を活用できることも必須です。
プロジェクトマネジメントの手法はたくさんありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

PMBOK(ピンボック)

PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略で、ピンボックと読みます。
PMBOKは、プロジェクトマネジメントのノウハウや知識を体系立ててまとめたものです。
プロジェクトマネジメントの最終目標はQCD(品質、コスト、納期)を守ることです。
PMBOKを活用することによりプロジェクトの全体最適を図ることができます。

WBS(スケジュール管理)

プロジェクトマネジメントの基本は、計画を作業単位まで細かく分解し、その進捗を管理することです。
フレームワークとしてはWBS(Work Breakdown Structureの略)と呼ばれる作業分解構造図 を導入することが一般的です。
WBSを導入することにより、複雑な作業過程であっても効果的に監視し、進捗を把握することが可能になります。
またWBSに計画をタスクとして落とし込むことによりやるべきことが明確になるため、チームメンバーも作業を実行し易くなります。

引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)ソフトウェア・エンジニアリング・センター 組み込みソフトウェア向けプロジェクトマネジメントガイド[計画書]

ガントチャート

ガントチャートは進捗管理を視覚的に把握できる手法です。
ガントチャートは縦軸にタスクの内容と担当者、開始日と終了日が記載されるのが一般的です。
横軸はカレンダーのように時間経過を記載し、縦軸と横軸によってタスクの進捗状況を示します。

引用:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「プロジェクトマネジメントの見える化」P17 チケットのガントチャート表示

EVM

EVMとは(Earned Value Managementの略)プロジェクトのコストとスケジュールが計画通りに進んでいるか、進んでいないのであればどの程度乖離があるのかを視覚化できるグラフです。
また、グラフから将来の予測を読み解くこともできます。
プロジェクトの健康診断のようなものと言えます。

引用:野村総合研究所「実践方EVMを活用したプロジェクト管理の適用研究」P3  1.はじめにEVM概要 

プロジェクトマネジメントに関する資格試験

PMに必要な知識やスキルについて解説してきましたが、スキルを身に着けられたかどうかの指標として資格試験があります。
プロジェクトマネジメント関連の資格はかなり難易度が高いため、一般的なIT知識を問われる基本情報技術者試験から受験するのもおすすめです。

【プロジェクトマネジメントに関する資格】

資格名 特徴

認定団体

PMP

PMBOKに基づいてスキルを測る国際資格です。

PMI(米国)

プロジェクトマネージャー試験 国家資格「情報処理技術者試験」の1つであり、日本国内での認知度は高いです。 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
P2M資格試験

「改訂3版プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」に基づいて問題が作成される資格試験です。4種類の分野ごとに特化した問題が出題されます。

PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)
PMOスペシャリスト認定資格 eラーニングだけで仕事をしながらスキマ時間で学習できます。
オンライン試験でおこなわれます。
一般社団法人日本PMO協会
基本情報技術者試験

ITエンジニアの登竜門として位置付けられている国家資格です。合格すれば一般的なIT知識は身に着いていることを証明できます。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

まとめ

プロジェクトマネジメントの概要、PMに求められる知識やスキル、資格試験について初心者の方向けに解説しました。
本記事を読んでお分かりいただけたかと思いますが、PMは知識とスキルを習得するだけでなく、実践的なノウハウを習得することが重要です。
IT人材育成研修QualityRoomではプロジェクトマネジメントのためのPM/PMO講座をご用意しております。
本講座の特徴は短時間でプロジェクトマネジメントの基礎技術と知識を習得し、かつ即戦力が得られる研修であることです。

座学講義のみならず、PM/PMO実務を想定した演習も織り交ぜることで、
「QCDバランス」を意識させ、即戦力となるPM/PMOを育成します。

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