DX推進の鍵!DX推進スキル標準「パーソナルスキル」について解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進には、優れたチームと個人の力が不可欠です。その中でも「パーソナルスキル」は、DX推進担当者が持つべき重要なスキルです。

本記事では、これからDX推進担当者となる方や、DX推進に必要なスキルについて知りたい方に向けて、「パーソナルスキル」とはどんなものか分かりやすく解説していきます。

DX推進スキル標準における共通スキル「パーソナルスキル」

DX推進スキル標準とは、経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が策定した、DXを推進する人材の役割や習得すべき知識・スキルを定めた指針です。

DX推進スキル標準の詳細はここでは省略しますが、詳しくお知りになりたい方は以下のエントリを参照してください。


さて、その中でもDXを推進する全人材に共通するスキル項目をまとめた「共通スキルリスト」の一つとして挙げられているのが、「パーソナルスキル」です。

共通スキルリスト

(参照:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「デジタルスキル標準ver.1.0」2022年12月 P.69)

パーソナルスキルとは、仕事のパフォーマンスを高めるために必要な、個人の能力や態度、行動を表すスキルのことです。これは、言ってしまえばどんな職種や業種においても必要とされるスキルで、ことDX推進においては、変化のスピードが速く、複雑な課題を解決することが求められるため、役割や状況に応じた実践力として特に重要なスキルであるとされています。

パーソナルスキルの重要性

パーソナルスキルが重要である理由は、主に以下のとおりです。

◆仕事のパフォーマンスが向上する
パーソナルスキルを高めることは、仕事の効率化や成果の向上につながります。例えばリーダーシップスキルを高めることで、チームを率いて目標を達成しやすくなります。またコミュニケーションスキルを高めることで、関係者と円滑に協働できるようになり、より良い成果を上げることができます。

◆キャリアアップにつながる
パーソナルスキルは、ビジネスパーソンとしての価値を高める上で欠かせない要素です。パーソナルスキルを高めることで、より高いポジションや責任ある仕事を任されるようになる可能性が高まります。

◆社会で活躍の場が広がる
パーソナルスキルは仕事だけでなく、社会生活全般においても必要とされるスキルです。例えば、適応力を高めることで、変化の激しい社会に柔軟に対応できるようになり、より充実した人生を送ることができるでしょう。

このようにパーソナルスキルは、DXにとどまらず仕事やキャリア、社会生活において、さまざまなメリットをもたらす重要なスキルと言えます。

「パーソナルスキル」の種類

ではパーソナルスキルにはどのような種類があるか、具体的に見ていきます。
以下はIPAが公表するパーソナルスキルの分類一覧です。各項目の要点を読み解いていきましょう。

(参照:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「デジタルスキル標準ver.1.0」2022年12月 P.76)

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、「DXを推進する人材が持つべき対人関係スキルとして必要な、チーム作りや多様な価値観を持つメンバーと合意を取りながらゴールへ向け協働するスキル」と定義されています。

◆リーダーシップ
目標達成のために、チームや組織を率いる能力です。チームの目標を明確にし、達成に向けてメンバーを指揮することや、関係者がそれぞれの強みを生かしながら活躍できるチーム作りを担います。

◆コラボレーション
関係者との協働や協力を円滑に行う能力です。関係者の意見や考えを尊重したコミュニケーションが取れること、また関係者と協力して目標達成を目指せる高い協調性が求められます。

コンセプチュアルスキル

またコンセプチュアルスキルは、「DX推進のプロセスを進めるにあたっての思考スキルとして必要な、どのように目的を設定し(Why)、課題への解を発展させ(What)、どのような意思決定をするか(How)を考えるためのスキル」と定義されています。

◆ゴール設定
目標を設定し、達成に向けて行動する能力です。目標達成に必要な計画を立て、それを実行できることはもちろん、目標達成に向けてモチベーションを維持できることも重要です。

◆創造的な問題解決
既存の枠組みにとらわれず、新しい視点から問題を解決する能力のこと。問題の根本原因を探り解決策を導き出す力、また既存のものにとらわれず新しいアイデアを生み出し、多様な視点で問題に取り組むことのできるスキルです。

◆批判的思考
情報やデータを客観的に分析して論理的に判断する能力です。
情報を正確に理解し、その真偽や信頼性を判断することで、論理的な結論を導きだす力が求められます。客観的な視点から、物事に対して常に疑問を持ち思考することが重要です。

◆適応力
変化する状況に柔軟に対応する能力を指します。目まぐるしく変化する環境に対して、それを受け入れ、変化に対応するために必要な行動を取ることができるスキルです。また、変化の中で新たなチャンスを掴む力を備えていることもポイントです。

「パーソナルスキル」を高める方法

パーソナルスキルを高めるためには、以下のような手段が有効です。

◆自己分析
自分の強みや弱み、改善点を把握することは大切です。自己分析を行うことで、自分の現状を客観的に把握し、必要なスキルが明確になります。

◆ロールモデルの模倣
優れたパーソナルスキルを持つ人の行動を観察し、学ぶことも効果的です。上司や先輩、著名人などロールモデルを見つけたら、その人の言動や行動を参考にして、自分のスキルを磨いていきましょう。

◆トレーニングや研修の受講
3章でご紹介したパーソナルスキルの分類一覧にあるように、各スキルの定着に適した学習項目があります。このような専門的な知識やスキルを身につけるには、プロによるトレーニングや研修を受講することが有効です。
トレーニングや研修は、実践的なスキルを効率的・体系的に学べる点がメリットです。
また他の受講者と交流することで、新たな刺激を受けることもスキルアップにつながります。

パーソナルスキルは一朝一夕で身につくものではなく、継続的な努力が必要です。パーソナルスキルを高めることで、仕事やキャリアにおいて、さまざまなメリットを得ることができます。ぜひ自分に合った方法で、パーソナルスキルを高めていきましょう。

さいごに

ここまで、DX推進スキル標準における「パーソナルスキル」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
DXの進展により、パーソナルスキルの重要性はさらに高まっていくと予想されます。

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