目次
業務効率化で生産性向上を目指す手法とアイデア
業務効率化とは、業務プロセスの「ムリ・ムダ・ムラ」を無くし、生産性を高めることです。この記事では、具体的な業務効率化の例、具体的な進め方、手法、アイデアを解説します。
不況でも、コロナ渦でも好調な業績を続けるマクドナルド。顧客志向でプロセス改善で業務効率化を続けるが故の結果です。プロセスを定め、属人化を最小限にし、理想の教育により結果を残すマクドナルドの業務改善ポイントは下記の点ではないでしょうか。
- システム化を進め、注文を受けたら瞬時にその情報が調理場に伝わる
- 調理時間が短くなるよう調理器具や食材に工夫する
- マニュアルを作成し、店員がスムーズに動けるように徹底して教育する
マクドナルドでは業務フローとマニュアルを一体化し、徹底的に業務フローを可視化し、従業員に共通認識を持たせ、業務改善・業務効率化を続けています。
業務フローで業務プロセス可視化をする重要性、業務改善・業務効率化を目指す業務フローの書き方についても解説します。
業務効率化と生産性向上の違い
業務効率化と生産性向上を同じ意味で使用するケースが見受けられますが、意味が違います。それぞれを正しく理解して使い分けましょう。
業務効率化とは、業務の中の「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」を見つけ出し、それらを省く業務改善をすることです。
一方、生産性向上とは、インプットとしての投入資源(人、モノ、カネ、情報、時間)を少なくして、アウトプットである成果物の価値を増大させることです。
つまり、生産性向上が目的となり、業務効率化が手段となります。生産性を目標値として数値化し、業務効率化の結果を定量化しながら、目標値に対する業務改善、業務効率化の効果を計ります。
業務効率化の第1ステップ:業務プロセスを理解する
プロセスとは、サイクルタイムとは?
プロセスとは何等かのインプットがあり、アウトプットを出すことであり、業務プロセスはインプットに対して業務を行い、アウトプットを出すことです。生産性を向上させるためには、この業務プロセスの時間(サイクルタイム)を短縮する必要があります。
定型的なハンバーガーショップで、As-Is(現状)では客から注文を受けて、受注調理のハンバーガーを客に出すまで、1分かかります。これが注文からハンバーガー提供までのサイクルタイムです。このサイクルタイムを1分から30秒に短縮するにはどうしたら良いでしょうか。
業務効率化で省く、「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」
ハンバーガーショップでサイクルタイムを短縮するためには、どの様に「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」をなくせば良いでしょうか。
- ムリ:人間の作業能力には限りがあります。実情と合わない達成が難しい目標が設定されても、従業員や機械設備への負担が過度に大きく、かえってパフォーマンスが下がってしまいます。ムリに作業スピードを上げようとしても、ミスや品質低下をもたらします。
- ムダ:業務プロセスの中の余計は動きや工程は除かなくてはなりません。業務が属人化していると未熟者の非効率な作業が全体の足を引っ張ることもあります。プロセスを見直して、標準化することにより、ムダが省けます。
- ムラ:適切な人員配置がされていなかったり、ムダの原因となる属人化があったりすると、業務の偏りが大きくなります。ムラも業務標準化により改善されます。
プロセス分析
ハンバーガーショップ「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」を無くし、サイクルタイムを30秒短縮するためには、業務標準化・自動化することが効果的です。具体的には以下の施策があります。
- システム化を進め、注文を受けたら瞬時にその情報が調理場に伝わる
- 調理時間が短くなるよう調理器具や食材に工夫する
- マニュアルを作成し、店員がスムーズに動けるように徹底して教育する
一案として、キオスク端末(セルフオーダー端末)を導入した業務プロセス(詳細は後述)を導入したらどうでしょうか。キオスク端末導入により、注文後に会計を済ませてから調理に入るプロセスの中で会計にかかる時間を省くことができます。その効果を分析してみましょう。
お客が比較的多い朝7時から夜9時までの14時間(14 x 60分=840分)の1カウンター当たりの売上を出してみましょう。現状では14時間の1カウンター当たり840分÷1分=840人の注文処理能力です。キオスク端末ではサイクルタイムが30秒となり、倍の1,680人の処理能力となる計算です。平均単価を450円とすると、現状では1カウンター当たり37.8万円(450円 x 840人)の売り上げ、キオスク端末導入後は75.6万円(450円 x 1,680人)の売り上げとなります。14時間で37.8万円(75.6万円-37.8万円)/カウンターの効果、3つカウンターがあれば113.4万円(37.8万円 x 3カウンター)/14時間の効果が得られます。
この様な分析をプロセス分析と呼びます。プロセス分析ではプロセス改善により、どの様な効果が得られるかを定量的に分析します。
但し、以上の計算では注意が必要です。客が集まらず、列もできないハンバーガーショップでは如何でしょうか。キオスク端末を導入して、客1人当たりの時間を短縮しても処理できる客が増えるわけでもなく、効果は生まれません。サイクルタイム短縮策は、忙しい組織、人手が足りない組織には効果的な手法ですが、暇で人手が余っている組織では効果が少なくなります。工場ラインなど、光熱費を使う業務では光熱費が削減できる効果は残ります。
業務フローの可視化例
先ほどのプロセス分析で、サイクルタイム短縮の効果を計算しましたが、何故キオスク端末を置くとサイクルタイムが短縮されるのでしょうか。直観的にに短縮されると思われる方が多いと思いますが、人の感覚だけで理解しても業務改善プロジェクトとしては不十分です。業務フローはプロセスを感覚だけでなく、目に見える図で表現し、何が起きているかを可視化するツールです。ハンバーガーショップでの現状(As-Is)とキオスク端末導入後の業務フロー(あるべき姿:To-Be)は下図の様に表現できます。
キオスク端末では注文を受け、客が支払い手続きをしている間にハンバーガーを準備することにより、サイクルタイムから支払い時間を削っていることがわかります。また、カウンターで注文を聞いて注文内容を厨房に伝える代わりに、キオスク端末から厨房に直接注文が伝えることによる時間短縮があることもわかります。
この様に業務改善で業務効率化を検討する際には、現状(As-Is)の業務フローと理想的なあるべき姿(To-Be)の業務フローを書くことにより、すべての人に改善ポイントの共通の理解を得ることができます。
業務フローを書くためにプロセスの種類を理解
普段意識しない業務プロセスですが、いくつかの種類に分類されます。
そして、各プロセスはいくつかのステージ(工程)の組み合わせで構成されることが多いです。工程はアクティビティ(活動)とも言い換えられます。構成の仕方で、「マルチステージプロセス」、「バッファ有りマルチステージプロセス」、「分岐プロセス」、「同時プロセス」等に分類されます。
マルチステージプロセスは、ステージ1が完了したらステージ2を始め、ステージ2が完了したらステージ3を始める様に順番に工程をこなしていくプロセスです。工場のライン生産方式(流れ作業、ライン作業)が典型的な例です。
バッファ有りマルチステージプロセスは、マルチステージプロセスの間にバッファがあるプロセスです。バッファとは工程と工程の間の保存・保管を意味し、工場ラインでは中間加工品の一時保存を表現することに使われます。調理工程では下ごしらえした材料を準備しておいたり、工場ラインでは中間仕掛品を溜めて保管しておいたりするイメージです。
同じ保存・保管でも、システムにデータを保存する場合には下記記号が使われます。どちらかというと、業務フロー図では無く、システムフロー図に使われることが多いです。
分岐は二つの工程に分かれるフローのことです。分岐には、下図の様に排他的分岐プロセスと並列分岐プロセスがあります。どちらの分岐かわかる様に記述して下さい。
業務フローでは並列分岐プロセスは同時プロセスという表現で、下図の様に分岐記号を使用せず、矢印を分岐させて表現することが多いです。
業務効率化の第2ステップ:現状分析から課題抽出
業務フローから課題を見つける
組織には階層がある事が多いです。承認レイヤーに従った業務依頼、承認をしているのに何故か、業務成果物の差し戻しが多いということはないでしょうか。
まずフローチャートを作成して現状の業務フローを可視化してみましょう。業務改善・業務効率化を目指すために書く業務フローは粒度をアクティビティレベルに細かく書く必要があります。(「業務フロー階層レベルについて」を参照)大きな粒度の業務フローでは担当によって差が出る属人的な業務の仕方が表現できません。
下図はある課が別の部署より業務を依頼され、課長が課員に業務を振っている例です。課長が他の部署より業務依頼を受け、係長に「やっておいてくれ」と丸投げ、係長も担当に丸投げして、担当が行った業務をめくら判で依頼部署に提出しています。
敢えて業務フロー図にしなくてもわかるフローですが、あなたの職場でも似た様なこと起きていませんか。上長から業務の仕方で何の指示も受けておらず、担当の理解で間違った業務を行い、その成果物も上長の確認無しに提出され、依頼元に差し戻されて初めて問題が顕在化したという例です。
これ程悪くないにせよ、課長は係長に指示をして係長は担当に指示をするものの、指示内容が行き当たりばったりで、日によっても違い、しかも伝達ゲームの様に誤解された指示が担当に伝えられたりするケースです。「そうは言ってなかった」などの不毛な議論が残っていまいます。
業務の仕方に問題のある業務フロー例
報連相の名の元に、一見、密なコミュニケーションをとっていそうでも、その場限りの口頭の伝達は間違った受け取り方となる可能性があり、意図していたものとは異なる結果を引き起こしてしまうこともあります。
あらゆる伝達や知識継承の問題のある業務では、業務フローとして描こうとしてもフロー図になっていないことが多いです。人によって異なったやり方になっていて、成果物も不揃い、いわゆる業務の属人化が起きてしまっているのです。
属人化した業務フローは担当の数だけ異なったものが存在します。それぞれの担当によって業務のやり方がどの様に異なるかまで粒度を細かく分析してみましょう。現状の業務の仕方がちゃんとフロー化できるか可視化に努めましょう。チェック機能がフロー化されているかも確認してみて下さい。
属人化に適した専門職業務も多々ありますが、組織として動いている場合には属人化はリスクとなることが多いです。以下で属人化も問題に触れたいと思います。
業務属人化のリスク
属人化した業務には以下のリスクが存在します。
ほかの社員が業務を担当できない
属人化している業務では担当者がいなくなったときに問題となります。業務を把握しているのが担当者だけなので、ほかの社員は仕事の進め方がわからず、作業がストップしてしまうからです。
業務が属人化していると、問題・トラブルが発生しても特定の人しか対応することができず、緊急で対応することができません。
業務フローでボトルネックができてしまう
属人化していると、その人が不在であったり多忙であったりする場合に、業務が滞ってしまいます。 特定の人でしか対応できない業務が増えてくると、当該業務の進捗が担当社員の稼動状況に応じて影響を受けるようになり、結果的に属人化している業務が組織のボトルネックとなります。
知識や技術が喪失する
能力や経験のある人が抱えている業務が属人化していると、急な休職や退職により、時間を掛けて積み上げられた知識や技術が喪失してしまうリスクがあります。社員が独自のノウハウやスキルを他社員へ十分に共有・引き継ぎをしないまま退職した場合、企業やその現場ではビジネスや業務の再現性が著しく低下することになります。
業務がブラックボックス化する
業務を遂行する人のプロセスが見えづらくなり、個々人で異なる業務内容が生じるようになります。また、業務に潜在的な問題が潜んでいても表面化せず、時間が経って大きな問題を引き起こすことがあります。
品質管理ができなくなる
特定分野で経験・ノウハウのある社員による専任業務が増えてくると、稼動しているタスクや全体の業務フロー、属人化している業務成果物の品質管理がしにくくなるリスクもあります。業務の進捗や現在の状況が見えにくかったり共有する機会が少なかったりするため、ミスに気づくまで時間がかかることがあります。最悪の場合、取引先からのクレームにつながり、会社全体の利益に影響を与える恐れもあります。
担当者の負担増が生産性を下げる
属人化の領域が広い場合、ほかの社員がサポートしたくても介入できないこともあります。たとえば、担当者の専門性が高すぎるときは、ほかの社員が真似できないレベルになり、担当者は周りに協力を仰ぎにくくなり、業務を抱える心理的な負担やリスクが大きくなります。属人化には働く社員の心身が疲弊してしまう悪影響もあります。
業務改善・業務効率化の手法とアイデア
より有効な業務改善を検討するためには、外部の業務改善メンバーのみ主導ではなく各部署の業務に精通したメンバーと外部の業務改善メンバーが共同で業務改善プロジェクトチームを立ち上げ、業務改善を行うことが望ましいです。
次に、業務改善・業務効率化のためのTo-Be業務フローを設計する上で、考慮すべきポイントを説明していきます。
機能していないプロセスを排除する
業務を受け取った人が別の人に業務を丸投げすることはないでしょうか。同様に、誰かが行った業務成果物を中身も確認せずにめくら判を押して提出ということはないでしょうか。「メッセンジャー」とも言われますが、右から受け取った情報に「何も付加価値を乗せない」で左に流す行為です。この「メッセンジャー」的丸投げ行為は機能していないプロセスと言えます。
また、中身を確認して次の工程に渡すという業務があったとしても、前工程で確認した内容を後工程でダブルに確認するというプロセスがあるとすると、後工程の確認プロセスが本当に意味を持っているのか再度確認してみてください。もちろん、違うレベルの確認の仕方で、二重確認が必要なこともありますが、その場合には後工程での確認の観点を変えるとか、別の確認方法にする方が良いです。
属人的な業務を標準化プロセスにする
前述の様に、属人的な業務はいくつかのリスクがあります。担当の能力や経験に頼る業務は必ずあるのですが、対象となる業務が本当に属人的な業務である必要があるのか検証が必要です。
まずは、すでに属人化している業務を洗い出します。これらの業務をいつ、どこで、誰が、どのように遂行しているのか、内容や手順をきちんと可視化します。業務内容を可視化したら、それが最適な手順になっているかどうかを見直します。省略できる部分やより効率的にできる部分を徹底的に見直して、最大限の生産性アップを目指します。必要に応じてITツールなども導入してワークフローをシステム上で管理するなどの業務改革の可能性も検討しましょう。
差戻しの工程が長いプロセスを無くす
修正ややり直しをするために差戻しが必要となったとき、差戻し先がかなり前工程まで戻るプロセスは要注意です。このような業務フローは、初期工程で間違い等に気づき、修正できる確認工程を入れておかなくてはなりません。なぜもっと前工程で間違い等に気づけないのか。そもそも確認するプロセスがないのか。確認プロセスはあるものの、形骸化していないかなどのチェックをして下さい。
製造ラインでは、完成品の最終検査で欠陥が見つかり、廃棄となるとそれまでラインでかかったコスト、人件費、光熱費、時間などが無駄になってしまいます。それを避けるために、オンラインで間違いを発見するセンサーを付けて早いステージで問題のある仕掛品を排除する仕組みを導入しています。同様に人が絡む業務でも、最終工程で初めて問題を見つけるのではなく、早い段階で見つける仕組みを入れて下さい。
組織の階層毎の役割や担当毎の責任と権限など、職務定義(業務分掌)が不明確であるケースも多いです。いくつかの階層や担当を通して一つの業務サイクルをこなす場合には、それぞれの部署や担当が明確に何をすべきかを業務フローの形で記述すると漏れと誤解が無くなります。
他部門の前工程まで戻るケースを排除する
内容を確認した結果、間違い等があり、修正や再作成が必要となったとき、その差戻し先が部門をまたいで前工程の部門にまで戻るケースは極力避けなくてはなりません。
業務の流れは自部門で業務が完結し、手戻りが発生しないことが理想です。しかし、部門をまたいで差戻しをしているということは、未完全な状態で後工程に流しているということになります。
この様に別部門の前工程にまで戻るケースを割けるためには、部門毎業務の責任と成果物の品質を明確化します(組織規程の策定)。後工程でも業務を始める前に前工程の見落としを確認するプロセスを入れるとなお良いです。
停滞(待ち状態)が発生する業務フローを排除する
業務には多数の担当、場合によっては他部門や委託先が関係するものもあります。その場合、1人の担当の業務が終わってから次の業務に移るマルチステージプロセスになっている場合、次工程を始めるためには前工程が完了していることが絶対条件かどうか確認が必要です。前工程と考えられている業務が終わらなくても次工程が始めることができる場合があります。
下図の様な同時プロセスのフローが適用できるかどうか検討してみて下さい。下図の例では、工程Aや工程Bが終わっていなくても工程Cを始めることができ、AやBの工程と同時にCの工程を進めるフローとなります。
例えば、投資判断資料を作成するという業務があるとします。必要なタスクとしては、「投資設備一覧作成」、「市場調査をする」、「販売計画を作成する」、「原価償却計画を作成する」があり、すべてをまとめて「投資回収計画を立てる」という資料を完成させる業務フローだとします。
この業務フローを1つずつのタスクを順番にこなしていくマルチステージプロセスで作成すると下図の「業務フローA: 時間のかかる業務フロー」の様になります。これだと、「市場調査をする」担当Bが他の仕事で忙しく業務を終えられない場合に、経理部が担当する「減価償却計画を作成する」という業務も停滞(待ち状態)となってしまいます。
業務フローA: 時間のかかる業務フロー
実は、経理部の「減価償却計画を作成する」という業務は「販売計画を作成する」という業務を待たないで、同時に進めることができるので、下図の「業務フローB:時間短縮の業務フロー」の様に同時プロセスを組み込むことができます。
業務フローB:時間短縮の業務フロー
但し、1つ考慮に入れないくてはならないのは、クリティカルパス(Critical Path:最長経路)の分析です。クリティカルパス分析では、ある工程を始めるために必ず完了しなくてはならない前工程(必須前工程)を特定します。クリティカルパスとは、業務の各工程を業務の始まりから終わりまで「前の工程が終わらないと次の工程が始まらない」という依存関係に従って結んでいったときに、所要時間が最長となる経路のことです。この長さが業務全体のサイクルタイムを決め、それ以上には時間短縮はできません。
一方、業務改善による業務効率化プロジェクトでは、業務のサイクルタイムがクリティカルパスと同じ時間にする目標を立てるべきでしょう。
To-Be業務フロー例
以上を考慮した結果、前述の「業務の仕方に問題のある業務フロー例」に対して、理想的な業務フロー例は次の様になります。
業務の内容・パターン毎の業務マニュアルを作成し、マニュアル通りに業務を進めればスムーズに漏れや間違いなく業務を完遂することができます。新規メンバーが参画した際には業務フローに従い、細かな作業は業務マニュアルに従って業務をしてもらえます。業務を教えるための時間を最小限にしたり、人による業務差、属人性を排除したりすることができます。
下図で、属人化が潜み、チェック機能が働かず、手戻りが発生する「問題のある業務フロー例」とマニュアルをガイドとして業務を標準化し、チェック機能を工程内に埋め込んだ「理想的な業務フロー例」を比較します。
改善ポイントは以下の通りです。
- 各階層や役職に見合った業務分担を予め定めて業務フロー化する事により、業務負担の偏りを防ぐことができます。
- 各階層や役職に見合った業務を同時進行で進めることにより、サイクルタイムを短くすることができます。
- 業務フロー、マニュアル通りに進めるということは、チェック機能がリアルタイムに働いているため、部署内最終確認は最低限のチェックで済みます。
- 業務フロー、マニュアル通りに業務を進んでいるので、手戻り、差し戻しが少なくなります。
客観的な把握をするために
業務フローがあれば、現状のフローが最適かどうか客観的に整理でき、組織の共通認識を得られます。フロー化で業務を可視化することで、無駄や省略できるプロセスが見やすくなります。図で表現するため、業務を担当していない人も理解し易くなります。そのため、課題抽出の議論も正しい方向に進みます。
業務改善・業務効率化のための業務フロー粒度は細かく
業務改善・業務効率化を目指すために書く業務フローは粒度をアクティビティレベルに細かく書く必要があります。特に属人化した業務を明確にするためには、各業務担当によって異なる業務フローを正確に図式化しないと、現状把握にはなりません。
課題解決策定
業務改善、業務改革、DXで業務効率化と生産性向上を目指す上で、課題の解決策を議論し策定することができます。図解されたフローに解決策を入れTo-Be (あるべき姿)に近づけていきましょう。
業務フローの書き方
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業務フローの書き方ガイドをダウンロードしたけれど、いまいちよく分からないなどお困りごとがございましたら是非ご相談ください。
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製造業で10年ほど品質管理、品質保証を経験したのち、IT業界にキャリアチェンジ。
業務IT化や、IT人材育成についてなど、IT業界以外の方にもわかりやすい記事を書くことを心掛けています。